<相談事例2 飲酒運転死亡事故>
(状況)
右に大きく曲がった見通しの悪い幹線道路にて、夏の早朝5時頃、被害者男性が仕事に向かう為、制限速度50キロの道路を運転中、センターラインをオーバーしてきた対向車と衝突、車は大破し被害者死亡。加害者は全治2ヶ月の重症。目撃者の話によると加害者の車はかなりのスピードが出ていた様だったと証言。警察の実況見分調書でも加害者の飲酒運転を確認するが、飲酒量は少なく規定値に達する数値では無く、運転に支障を来す程ではなかったと記述。加害者は死亡事故を引き起こしたのにも係わらず、事故後半年が過ぎても起訴されずに日常生活を送っていた。
(遺族より調査依頼)
加害者を起訴したいが、警察に働きかけても動いてくれない。加害者の飲酒運転による重過失致死は間違いないのに、何とかできないかとの相談。
(調査結果)
加害者側に関わりのある人物がほとんどで、皆一様に口が堅く難航したが、当日の足取りが少しずつ判明し、加害者が最後に立ち寄った飲食店を特定する。マスターより店に来た時からかなり酒に酔っていたとの証言を得る。
他の店でも日頃から酒をかなり飲み、平気で車を運転する常習者との裏付けを得る。
事故当日、事故現場付近にて、加害車両と接触しそうになった運転手の証言を入手する。証言では「加害者の運転する車が前方に見えた時、かなりの蛇行運転をしていて危うく加害者車両と接触しそうになった。あれは居眠りが酒酔運転だと思った。」
同じ天候、時間、同型車両にて事故当時の様子を何度も再現する。
飲食店のマスターの証言等から店を出た時刻を算定、事故現場までの距離・時間を計測。結果、加害車両は時速70キロ超のスピードを出して車を運転していたことが確認できた。
以上の調査結果を遺族に報告し、当社交通事故専門弁護士を紹介する。
加害者は起訴され裁判で懲役3年6ヶ月の実刑を受けた。
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